散文小径

小説家です。時代小説を執筆しています。皆さまのご声援に支えられて描いております。よろしくお願いします。

シリーズ・関ヶ原と里見家 6

 天下分け目の関ヶ原。
 通説では徳川家康の天下取りとされますが、冷静に俯瞰してみると、これは豊臣政権下での家臣同士の諍い。諸説云々ございますが、この天下の一戦で豊臣家が弱体したことも事実。
 日本中の大名が二派へと別れて、激突した。
 総じて、これを〈関ヶ原合戦〉と、後世語られております。


 小山評定を前にして、真田父子が徳川への加担を巡り犬伏で是非を論じ、結果的に家を割った逸話は、戦国マニアで知らぬ者がない有名なエピソード。この前後、真田家以外にも、西軍の誘いがあったことは、あまり取り上げられませんね。
 きっかけとなるのは、密使がもたらした長束正家・増田長盛・前田玄以の連署状。これ、里見義康にも届いていたと考えられます。
 表に出ていないだけで、連署状、もっと濫発されていたように思えるのですが、真田家の場合はこれを理由にしていたのではなく、もともと気乗りしない心中を後押ししてくれた起爆剤だったようにも取れます。

 真田父子の別れの場面とされる〈犬伏〉の地。
 多くの方は、何処、という意識をされていないんじゃないですか?何となく国道50号線上のどこか、くらいに思っているのでは?まあ、あながち、間違ってませんよね。夢酔の認識も、そんなもんです。
 下野国犬伏。
 現在の栃木県佐野市にあたります。
 小山の目と鼻の先まで来ていたんですね。連署が届くのが1日遅かったら、真田昌幸は小山陣に入ってしまったことでしょう。そうなったら、連署を受け取ることも困難になるし、小山評定の席で西軍に附くと断じることが適ったでしょうか。
 とまれ、佐野はそういう地でした。
 新町薬師堂というものが佐野市にあります。ここで、真田父子3人(昌幸、信幸、信繁)が、東軍と西軍に分かれて戦うことを決断した密議の場所という伝承が残されています。薬師堂の脇を流れる川の橋は、真田父子の別れ橋として語り継がれているそうです。真田家については、純粋に歴史好きな女子や、過剰に迂曲されたアニメチックなものラブな腐女子にも人気です。ひょっとしたら、夢酔にいわれるまでもなく
「佐野?ラーメンのついでに、もう聖地巡礼したわよ!」
とお叱りを受けるかも知れません。
 一般的に犬伏の知名度はありますが、特定の地理感覚はピンと来ないのが、現状ではないでしょうか。
昌幸・信繁父子が犬伏から上田へと戻る途中、沼田城で一泊する予定でいたところ、父子が東西に分かれたことを既に知っていて、留守を守る信幸の妻・小松殿が頑として入城を拒否したという逸話があります。
実際には、どうなのでしょう。
 犬伏でのことは結論も出ないまま、朝になったらもぬけの殻で信幸が狼狽したという二次記述もあります。それでは、先発した昌幸より先に、情報が沼田城へ至る理由が見つかりません。携帯電話のない時代です。
 連署以前から離反を決めていて、真田家全体の出来レースだとしたら、沼田のことも狂言紛いの自作自演になります。家臣たちも整然と二分され、信幸に属す者と昌幸に属す者が混乱もなく大別されたことを考えれば、そんな憶測も否定できません。
 真田家がこういう様だった。
 他家もこういうしたたかさを秘めているに違いない。
 家康が芝居じみた小山評定での仕儀に及んだのも、無理のない話だったのかもと、ふと、思わずにいられません。


                  ◆    ◆    ◆



 お知らせです。


 倉吉せきがね里見まつり

 里見忠義終焉の地・鳥取県倉吉市。
 毎年9月第一日曜日に開催されます。東国の方は、その遠さを噛み締めることで、この地に流された里見家最後の当主の心中を実感できるのではないでしょうか?


  開催日  平成24年9月2日(日)
  開催場所 倉吉市関金町 山守小学校周辺
  お問い合せ
      「倉吉せきがね里見まつり」
  倉吉せきがね里見まつり実施委員会(倉吉市市民参画課内)
  TEL:0858-22-8159
  「里見時代行列」
  倉吉里見手作り甲冑愛好会(NPO法人養生の郷内 )
  TEL:0858-45-3988


 南総里見まつり

 里見氏の本拠地・安房館山。
 第31回の里見まつりを、ご堪能ください!


  開催日  平成24年10月13日(土)~14日(日)
  開催場所 平成24年10月13日(土) 
  館山駅西口ロータリー及び北条海岸特設会場
  平成24年10月14日(日) 城山公園

  お問い合せ
  一般社団法人 館山市観光協会
  TEL:0470-22-2000



                  ◆    ◆    ◆



戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。
「2014年に里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」
 皆さまの温かいご声援をお願いします。

ポスター
 署名用紙はこちらに収納しております。
 活動の趣旨に御賛同いただけましたら、是非、こちらの署名用紙をプリントアウトのうえ、支援の程よろしくお願いします!
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  1. 2012/07/18(水) 06:22:08|
  2. 随筆・あっそう!里見発見伝
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