散文小径

小説家です。時代小説を執筆しています。皆さまのご声援に支えられて描いております。よろしくお願いします。

西原武田氏という一族

本日、第30回倉吉せきがね里見まつりでした。
天気とか心配でしたが、先ほど、里見会長よりお電話を頂き
無事に式典を終えることが出来たそうです。よかった。どうかご無事にお戻りくださいませ。
福井幹事長がフェイスブックで紹介を始めたようなので、ぽちぽち楽しませて頂きます。

「夏の波濤」。
この土曜日で、豊臣秀吉往生の章〈難波の夢〉が終わりました。
いよいよ、関ヶ原です。
里見義康は結城秀康に属し宇都宮に留まります。そのためでしょうか、記録の類から拾い出すことが困難な状況になっているため、戦後の結果につながる創意を凝らす必要性に迫られました。
縦糸横糸に渡り幾重にも伏線を張りましたが、全てがこの後の展開に生きてくるものです。そのため〈小田原に吹く風〉以来の長編章となります。喜連川の場面も登場します。こういうときじゃなければ、喜連川を前面に押し出せません。でも、これも創意の範囲ですので、あしからず。
関ヶ原といえば、来年の大河ドラマに登場するあの人物も登場します。
そう、真田昌幸・信繁父子。
夢酔流の〈犬伏の別れ〉に、真田ファンは「こんなドライじゃ厭だ」と拒否反応を示すかな……購読されている皆さま、あとは誌面でお楽しみに。

ところで、今日、夢酔は西原におりました。
DSCF4447.jpg西原、どこかって?
ここです(クリック)山梨県上野原市西原マップ
西原という場所は、笹尾根を隔てて檜原と接する場所です。ここは武田・北条領の緩衝地帯、いわば最前線です。甲斐本土は敵に踏み込まれたことがないという定説がありますが、少なくともこの都留郡国境地帯は紛争地帯だったことは間違いない。

ここに、ある文書がある。
此度才原、敵打捕候、神妙ニ被恩召候、仍俵子被下候、向後弥軽身命於走廻者、御恩賞仁望可被与旨、被仰出者、也、仍如件、
(北条氏照ヵ朱印状写(土屋和夫氏所蔵文書))

ようは、天正8年5月15日に北条勢と武田勢が西原峠で合戦に及び、北条氏照配下・土屋五郎左衛門が戦功をたてたので感状を与えたという文書ですね。西原が才原とあるけど、当て字はよくあるので気にしない。むしろ発音が〈さいはら〉と分かって有難いです。西原峠は笹尾根の上にあたります。衝突したのは、間違いなく西原武田氏でしょう。

でも、西原武田氏とは何者?
150628_174125.jpg高価な買い物であるこの一冊にも、登場しません。
西原一ノ宮神社の棟札に散見しているそうですが、近くまで来たのに見てこなかった不覚
郡内武田氏とも称されるこの一族は、武田信満が上杉禅秀の乱の際に武蔵方面に備え西原に武田丹波守有氏が館を構えたのだと伝わります。以来、ここに留まったのでしょうか。とにかく詳細が全く分からない。
事前の聞き込みのため、羽置の里びりゅう館に立ち寄る。DSCF4451.jpg
正直なところ、直接的な情報は皆無でした。
屋敷跡とされる場所の間近に住んでいるという方から伺ったところ
「畑で何もない」
ということ。ただ、その前あたりが〈御前〉と呼ばれていたらしいという情報を入手しました。これは地元ならではの情報ですよね。そこに何かしらの力を持っていた人がいたのでしょう。それに、現道は変わりがないようなので、古来のものがそのまま伝わった可能性がある。その場所にいけば、なにか感じられるだろう。
DSCF4448.jpg
びりゅう館からそちらを見上げる。
せっかくなので、この土地の名物を食べてみる。DSCF4450.jpg
せいだのたまじというらしい。美味いです。

いよいよ、屋敷跡とされる場所にいく。
こ……これはDSCF4454.jpg
何もない……ただの畑だ。とりあえず、このパノラマ写真を見てください。
たぶん、見える範囲が屋敷跡なのかな。高台になっていて、集落を見下ろす立地になっている。しかし、背後の山の稜線は国境地帯だから緊張感もあっただろう。
DSCF4455.jpg麓の案内板がこれ。
間違いなく国境紛争地帯。三頭山は檜原最奥の標高1500m級の山。笹尾根の要。ここを制することは笹尾根の支配権を左右したことと思われる。

ここで、大事なことに気付いた。
我々は戦国大名の本拠地基準で、その勢力や規模や安定感を見てしまいがちだと思いませんか?
武田を見るときは、すべて信玄基準。だから国内は安心安定最強万全。しかし、それを支えているのは、国境の紛争地帯で圧しつ凌ぎつギリギリの駆け引きをしている、最前線の者たち。都留郡では、この西原武田氏や小菅氏それに加藤氏が相当します。駿東方面は小山田氏だし、南部河内は万沢氏。国中は大きなリスクを負っていないが、郡内・河内は他国に接しているリスクがある。
武田氏は同盟者である小山田氏・穴山氏のヘルプに支えられているんですね。
中心部だけをみて判断するのは、教科書判断。
とかく捻くれ者ゆえ、夢酔はそういう物の見方をしてしまうんです。
嫌われるかな。

帰りに笹尾根の反対側にあたる数馬の湯に浸かってきました。DSCF4458.jpg
ここ檜原には武田の落人伝説があります。
DSCF4459.jpg
屋根に武田菱が見られるのも、面白い。



第34回南総里見まつり開催決定!!
http://satomi.tateyamacity.com/


戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。
「里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」
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公式HPはこちら里見氏大河ドラマ化実行委員会

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  1. 2015/09/06(日) 19:51:58|
  2. おやま~小山田
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