散文小径

小説家です。時代小説を執筆しています。皆さまのご声援に支えられて描いております。よろしくお願いします。

房総武田氏

土曜日の房州日日新聞に掲載された回。
小田原征伐の別働隊として、本多忠勝が上総平定のため万喜を攻め落とす場面を描きました。里見にも屈しなかった中間の雄として、土岐一族は意地を張ったのでしょうね。西国勢には負けて堪るかという粉骨虚しく、敗れ去るのです。
もう一隊は浅野長政。こちらは房総武田氏の庁南武田豊信を攻めています。
この房総武田家については、少し考えがありまして、夢酔流の設定をしておりました。

武田というからには甲斐との接点があるのだろうと思いますよね?
はい。
ございます。

甲斐武田家は三度、滅亡の縁に立たされました。
一度目は源頼朝の源氏粛正のとき。辛うじて頼朝に気に入られた下弟によって武田家は息を潜めるように存続し、承久の乱の功績で復権しました。
二度目は上杉禅秀の乱のとき。娘婿の上杉禅秀が鎌倉公方足利持氏に対し挙兵に及んだ際、舅という関係上加担したのです。結果として上杉方は敗れ、武田氏は天目山に追われて自害。その後、甲斐は武田不在の時代が長く続き、高野山にいたその息子が将軍命令で甲斐に戻されたのです。
三度目は申すまでもない、武田勝頼ですね。
房総武田家の興りは、この二度目のときが契機でした。
禅秀舅・武田信満の次男・信長は、武田不在の期間中、鎌倉公方の息が掛かる守護代・跡部氏に対し、ゲリラ戦を展開し翻弄していきます。地侍や不満分子を上手に用い、神出鬼没、跡部勢は翻弄されました。やがて足利持氏に捕らえられた信長でしたが、その能力を評価され、殺すには惜しいということで、足利家の家人となるのです。
持氏はその後、永享の乱で討ち取られます。元々人の恨みを買うタイプだったのでしょうね。その後、持氏遺児を擁した結城氏朝の乱が約一年間続きます。このとき命存えた遺児の一人が、古河公方・足利成氏です。成氏は上杉から関東を取り戻すため戦うことになるのですが、それを支えたのが、武田信長でした。房総を上杉勢力から奪うべし。この命令により、安房へは里見義実上総へは武田信長が向かい、土着していくのです。
そう、房総武田氏は、甲斐と同族なのです。

土曜日の回で敗れ去った庁南武田豊信。
諸説ありますが、実は武田信玄の三男・信之だというものがあります。甲斐では夭折したことになっていますが、伝承では信玄から養子に貰い受けたというのです。母親は正室・三条夫人だから、立派な血筋ですよね。
小説「夏の波濤」は天正10年2月からスタートしています。
甲斐武田家は三度目の滅亡を迎えようという時期です。このとき、高遠城から子供が逃げてくる場面を描きました。この子供が、仁科信正。これも伝承のなかのひとつです。学術的にはどうかという素材ですが、小説ということもあり、惜しげもなくこの設定を採用しました。日本人は判官贔屓ですからね、弱者に優しいのです。


でも。
敗れ去った者に優しくない事例もあるのです。
3月29日。小山田情報館 MAGIE HALLにおいて、子孫による収蔵物公開の場が開館されました。その初日ですが、せっかくというお声を賜り、夢酔、講演をさせて頂きました。
武田二四将にも数えられる小山田信茂。今を以てなお、世間の評価は厳しいです。
勝頼を迎え入れずに拒んだから、滅んだ。
古今未曾有の不忠者。
このレッテルは、江戸時代に定着したものですが、感情的なものも含んで、今日を以てなお世間に浸透しているものです。
歴史を紡ぐのは勝者。
歴史を用いるのは為政者。
これは古今東西の倣いだと思います。東京裁判は勝者における日本への公開リンチなんて声がありますが、やはり勝てば官軍なんでしょうね。大量破壊兵器がなくたってフセインが悪いことになってますし。
小山田信茂も、先に逃亡していたらこうも云われずに済んだのではないでしょうか。武田一族や有力家臣は真っ先に逃亡したけど、小山田ほど恨みは被っていないです。まあ、これもまた、歴史の不思議なのだと思います。
火縄銃とか触れますよ。お……重いクリック
陣立て図なども展示されております。

当日、遠路遥々とお越しの皆さまにおかれましては、つたなき稚拙な口上、まことに恐縮の限りです。
今後も小山田ともども夢酔をよろしく可愛がってやってくださいませ。


ここで、産業振興の一助をひとつ。
月まんじゅう」って知ってますか?150330_055502.jpg
大月の特産品であるウコンをおいしく食べていただきたいと
心をこめて作っています。
ウコンに含まれるクルクミンの成分は、発酵食品である麹菌
酒粕との相性が最も良いとされています。
それらを生地に練りこんで作る月まんじゅうは、身体にやさしく
昔ながらの、懐かしい粒あんの手作りのおまんじゅうです。
他に高菜、みそもございます。
1個110~130円
お土産に最適なパック入りは3個入りと5個入りがあり
自宅用には袋入りのものもあります。
現在 観光案内所・猿橋直売所(火曜定休)、初狩の上下パーキングにて
販売しています。
(大月市観光協会HP転記)
馳走になりましたが、美味しいですよ。
真木で作られているそうです。小山田情報館に足を運んだついでに、ぜひお求め下さい。


この開館情報ならびに講演会にあたりまして、歴史人公認ブログ隊で情報提供の御協力を賜りましたいずな様・城逢人ししん様。
心より感謝申し上げます。









雑誌「歴史人」のweb版でこんな企画しています。
歴史人公認ブログ隊募集中! http://www.rekishijin.jp/rekishijin-offcial-blog/  
ワシは連載と自分のblogで手一杯だ。
誰か、里見の伝道師となって世に布教してください。about_rekishijin.jpg


<戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。
「里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」
 皆さまの温かいご声援をお願いします。

ポスター
 署名用紙はこちらに収納しております。
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  1. 2015/03/30(月) 06:12:35|
  2. 随筆・あっそう!里見発見伝
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