散文小径

小説家です。時代小説を執筆しています。皆さまのご声援に支えられて描いております。よろしくお願いします。

高野山2014④

高野山の朝5時は、決して早くない。
あちらこちらの塔頭では、読経の声が響いている。今回お世話になった光明院も、6時30分から朝のお務め。それまでに界隈を散策するため、出発!DSCF2742.jpg
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高野山に稲荷社があって、ビックリ。お山が一己のお寺と聞いていたので、不思議な気分

苅萱堂では早くもお務めの最中。ここの逸話を知りたい方は石童丸物語
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里見家の文書でしばしば登場するのが、ここ西門院です。400年前のよすがは残されていないのだろうな。
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と、まあ、これ以上写真は載せませんが、朝からの徘徊に熱中しているうちに、すっかり世界は明るくなっておりました。
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いそげ、お務めの時間に……DSCF2766.jpg
遅れてしまいました

真言の宗門の経は、高尾山薬王院で幾度となく目にしている。違うのは山伏がいないくらいだろう。
揺らめく蝋燭の灯りが金色の法具に照らされ、仄暗いなかに光明を放つ。焚き籠める香が堂内に漂い、天井に輝く小さな天蓋が個々の光を放って、さながら一己の宇宙を彷彿させる。
響く読経は、言葉の波。凪ぐ波でもあり、静かなさざ波でもあるが、敬虔な信徒の心には大きな波となって押し寄せているのだろう。今回のお務めに外国人宿泊客の姿もあり、彼らの瞳には、日本古来の宗教観に彩られるこの仕来りが如何様に映っているものか、実に興味深い。
蝋燭に照る法具と、それで支配される光と闇の空間。法具が金色ならではの光の加減なのだろう。これが銀ならば、こうも心に幻想を抱かせまい。金だからこそ、なのである。此のことを成金だ蓄財だと、心ないことを思う輩も少なくはない。が、この光の調度は安いメッキでは表現されまい。この不思議な世界観は、本物を目の当たりにした者にしか、納得できないことなのである。
経文が唱えられている間、まさしく本堂のなかは宇宙なのである。宗派は問わない、これが、日本古来の仏教の重さというものなのだろう。
それを識るためには、軽々な言葉は不用。百聞は一見にしかず、なのである。
日本の歴史上において、時の為政者たちは、その支配の合理性とは裏腹に、表現のできない心理的な救済を覚えてきた。それを支えたのが、開山1199年の、ここ高野山。真言密教なのだ。
残念なことに、一介の食客が垣間見ているこの世界は、膨大なる真言の宇宙の入口にも満たない“おつとめ”に過ぎないのである。それでも、この宇宙は、実に心地よいことだけは理解できる。
ああ、日本人に生まれて、よかった。
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ありがたい朝食をいただいたらDSCF2771.jpg

いざ、この旅のメインイベントのひとつへ!


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須弥壇に置かれているものが分かりますか?
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真新しいご位牌です。

雲晴院殿心叟賢涼御大居士
これが、里見忠義の戒名です。
向かって右側が正室、左が娘のものです。
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里見氏改易400年という2014年に、全国里見一族交流会によって、ここ高野山に新しい位牌を納めることができました。
今年、この事業を為すことで、後の世に受け継ぐ足跡を残せたものと思われます。
その現場に立ち会うことが出来た幸運を、夢酔は噛み締めております。
作家冥利に尽きますね。
この位牌写真はA4に引き延ばしたものを、帰宅後、滝川恒昭先生・岡田晃司先生へ資料提供として送らせて頂きました。

でも、なぜ、高野山に?
皆さんの疑問は、当然です。
実は、高野山奥の院には、里見忠義三十三回忌供養にあたり五輪塔が設置されていたのです。そして準じ、この三人の位牌に該当する五輪塔が建立されたのです。位牌は、五輪塔のある、ここ高野山へ新たに納められたということなのです。

その五輪塔へは、次回の記述でご案内します。

そうそう。
前回書き損じましたが、今回のことのため、高野山に属する館山市の妙音院から福岡御住職が参じております。
はるばるこのことのために、お越し下さったのです。
里見氏が高野山に残した歴史は、知られていないだけで、実は現実のものとして受け止められております。



ひとつ御紹介。

豊臣秀吉の大陸出兵。
このとき、時の当主・里見義康は高野山に借金を申し入れた記録が残されています。

    借用申候黄金之事
   合而壱枚但其方秤也
  右、請取申所実正也、此返弁来秋俵子を以、妙音院ヘ如相渡申
   候、皆済可申候者也、仍如件、
       壬辰
        卯月十三日
             西門院ヘ

  
これは文禄元年4月13日付にて、里見義康が高野山から黄金一枚借財し妙音院に 米俵で返済する、という証文です。

秀吉の海外派兵が、地方大名の台所事情を悩ませていたことが、ここから察することが出来ます。今も昔も、中央集権のトップは地方の都合などお構いなし、というところでしょうかね。


つづきを、お楽しみに











2014年、里見メモリアルイヤー。
盛り上がりの、ご開帳です。




戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。
「里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」
 皆さまの温かいご声援をお願いします。

ポスター
 署名用紙はこちらに収納しております。
 活動の趣旨に御賛同いただけましたら、是非、こちらの署名用紙をプリントアウトのうえ、支援の程よろしくお願いします!


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  1. 2014/11/08(土) 08:01:50|
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